スマートなアンプで家にいてもセッション形式で練習しよう!ぼっちギタリストにも嬉しいアンプSpark 40を使ってみた

スマートなアンプで家にいてもセッション形式で練習しよう!ぼっちギタリストにも嬉しいアンプSpark 40を使ってみた

Clock Icon2020.11.24

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

CX事業本部の阿部です。

当社には楽器を趣味としている人も多く、misc-k-onというチャンネルで楽器や演奏に関する雑談があったりします。私も高校に入る頃からギターを始めて20数年続けており、このチャンネルの住人です。

セッションはしたい、でも、スタジオ練習は密です

ピアノやアコースティックギターなど、単体で曲が成立しやすい楽器とは違い、エレキギターやベース、ドラムなどはバンド形式でセッションしないと楽器として物足りなくなることがあります。

バンドで生きてくる楽器の場合、自分の音だけではなく他のパートの音を聴きながら弾くということを練習しないと上達しない要素があるため、個人の練習とは別にバンドでスタジオ練習に入ったりします。

とはいえ、練習スタジオはお世辞にも広いとは言えず、音量を考えるとしっかりと防音扉を閉める必要があるためバンドで入ると割と密な環境が出来上がります。今のタイミングでは、なるべくだったら避けたいですね。(決して友達がいないわけではないぞ、決して)

セッション練習に付き合ってくれるアンプが出た

そんな時に発売されたのがこのSpark 40というアンプです。

このアンプはPositive Gridというアンプシミュレータソフトウェアを作っている会社がその技術を使って物理デバイスとして作ったギターアンプです。これだけであれば類似の製品は多々あるのですが、サービスとしてモバイルアプリと連動したセッティングやセッションの練習機能を追加しているところが売りです。

主な機能を見てみましょう。

主な機能

  • アンプシミュレータ
  • オートコード
  • スマートジャム
  • オーディオインターフェイス

使ってみる

Spark 40は物理デバイスとしてのアンプではありますが、機能をちゃんと使うにはモバイルアプリが必要です。むしろ物理のインターフェイスはギターアンプ感を出すためにコントロールの数を絞り込んだのではないかと思うほど。

なお、ここからは物理デバイスとしてのアンプ本体の方を「アンプ(デバイス)」、シミュレータのセッティングで選択されるアンプの方を「アンプ(シミュレータ)」、ギターアンプ全般に関することを「アンプ」と区別して記載します。

アンプシミュレータ

物理ツマミもありますが、ほとんど使いません。

ツマミの中で主に使うのはアウトプットのボリュームです。これはアンプのセッティングとしてのマスターボリュームとは別にスピーカーからのアウトプットを制御するもので、このツマミがあることによって、アンプとして美味しいセッティング(えてして高出力になりがち)にしながら、スピーカーからの音量を調節できます。このボリュームはアプリ上のアンプ(シミュレータ)のセッティングには表示されておらず、あくまでアンプ(デバイス)側の操作として設定する必要があります。多分、アプリ側でできなくはないと思うのですが、役割を考慮して敢えて分けているのだと思われます。例えばアンプ(デバイス)を持ち出してスタジオで使ってみる時など、アウトプットのボリュームはセッティングと分離して変更することがありますし。

シミュレートしているアンプは元ネタが公開されており、アプリのセッティング画面では元ネタアンプに近いビジュアルが表示されるのはユーザフレンドリーで嬉しいところです。

なお、プリセットさえしておけばアプリを立ち上げなくてもとりあえずアンプとして使えるので、シミュレータのエンジン自体はアンプ(デバイス)側にあるようです。そうでなくては、出音のレスポンスに遅延などの課題が出てきそうな気がします。

ただ、元々物理デバイスを持たないプラグインとしてのアンプシミュレータを作っていた会社の技術なので、ソフトウェアとして成立はしていると思います。そのため、アップグレードでアンプ(シミュレータ)が追加になったりしないかな、という都合の良い妄想が出てきてしまいますね。

オートコード

練習用の機能の一つです。ポリフォニック・チューニングという全ての弦を同時に鳴らし各弦の音程を検出してチューニングする技術があるので、なっている音の解析については似たような技術を使っているのかもしれません。

Youtubeに公開されている様々な楽曲からテンポやコード進行を解析して曲に合わせて進行するコード譜にしてくれます。今後、SpotifyやApple Musicにも対応していくとのことです。コード解析の正確さは、コードがわかればある程度弾けるという人がガイドとして使うには十分ではないかと思われます。ただし、曲全体でメロディーの動きが激しい時などは経過音なども含めて解析しようとするので多少違和感が出ることもありました。また、表示されるコードの押さえ方については一般的なもので、例えばギタリストの手癖っぽい押さえ方については対応していません。

新しい曲を練習したいときにいいですね。レパートリーを増やす手助けになってくれると思います。

Youtubeの曲からの解析では、動画の頭から拍がスタートする形でコード譜が出てくるため、曲に入るまでの導入が長いMVなどを解析すると頭の拍がずれた譜面になってしまいます。これに関しては仕方ないかな、と思う反面、解析精度が上がればその前一小節くらいから始めることもできるようになるのでは、とアップデートに期待しています。

スマートジャム

練習用としても作曲サポートとしてもちょっとした遊びのセッションのネタとしても使えそうな機能です。オートコードと並んで、スマートアンプと名乗るにふさわしい機能だと思います。

リズムに合わせて2小節ほど弾いたパターンとリズムからベースとドラムを一曲分作ってくれます。オートコードもスマートジャムも音からのコード把握に同じテクノロジーを使ってそうですね。むしろバッキングトラックの自動生成の方が気になります。

また、作ったパターンがイメージと違う場合はフィードバックできます。おそらくこのフィードバックをスマートジャムとオートコードの解析精度向上に利用しているのではないかと思われます。

ドラマーはリリース後も追加されたりしているので、これから先に他のジャンルでも演奏できるようになってくるのではないでしょうか?ギターのバッキングがある状態で上のメロディーを弾きたいのでルーパーとしての機能もついたりすると嬉しいなあ、と思いました。

オートコードとスマートジャムで共通して注意すること

ちょっと使ってみてわかったことですが、曲のキーは解析せず、単純に順番に鳴っている音からの解析であるため、解析に使う音源や弾き方によっては狙ったコードにならないことがあります。例えば、スマートジャムで弾いたパターンが俗に言うパワーコードだった場合、解析されるコードはメジャーかマイナーか判断できないため、5度のコードになることが多くなったりします。

こんなにイケてる機能あるのに・・・

チューナーがイケてないんですよ。ピッチが合ってるかはインジケータでわかるんですが、どの音で合ってるかが全くわからないのです。

これ、アプリも合わせたらなんとかなりそうな気がするので改善を期待したいですね。オートコードやスマートジャムなどの機能があれば、ポリフォニックチューニングもできておかしくない気がするので。

まとめ

まだまだ精度面でもっと良くなるといいなあ、という機能はありますが、練習のための機能について非常に充実していると言えます。モバイルアプリと合わせてトータルでサービスが構成されているため、これからアップデートしていくということも期待できます。そういう意味で、リリースから早いうちにスマートジャムにドラマーが追加されたのはサービスの印象としても良かったと思います。

また、エレキギターの場合、アンプにつないで弾くのとそうでないのとでは、若干弾き方が変わってくる部分があるため、アンプ有りの状態での練習環境確保というのは非常に重要です。そういう意味でも練習としていろんなアンプが試せるというのもありがたいです。個人としては好きなアンプを元にしたモデルがたくさん入ってたというのもありがたかったですが。

バンド組みたいけどこのご時世だし、と思っていたところにこのアンプの登場で家で一人で楽しむギターの幅も広がるし、しばらくはリスクの高い活動をわざわざしなくても良いかな、と思えてきました。

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.